21世紀の「グレートゲーム」の場
アフリカ大陸は、21世紀の地政学において急速に重要性を増している。2050年時点でアフリカの人口は25億人を超えると予測され、世界の人口増加の約半分を占める見通しだ。
同時に、アフリカにはレアアース、コバルト(EV電池に不可欠)、石油、天然ガス、金など、21世紀の経済に必要な資源が豊富に眠っている。中国、ロシア、米国、欧州、UAE、トルコが競い合ってアフリカへの影響力拡大を図っている。
中国のアフリカ戦略
一帯一路を通じた中国のアフリカ投資は膨大だ。港湾、鉄道、道路、電力インフラ——中国が建設したインフラがアフリカ各地に存在する。中国はアフリカの最大の貿易相手国でもある。
しかし、中国のアフリカ関与には批判もある。現地雇用の少なさ、環境基準の低さ、「債務の罠」への懸念。一部の国では中国依存への反感が政治問題化している。
サヘル地域の安全保障危機
サハラ砂漠南縁に広がるサヘル地域(マリ、ニジェール、ブルキナファソ等)では、イスラム系武装勢力による不安定化が深刻だ。フランス主導の対テロ作戦「バルカン作戦」が撤退した後、ロシアの民間軍事会社ワグネル(現アフリカ軍)が台頭し、クーデター政権を支援している。
サヘルの不安定化は移民の流れを通じて欧州にも影響し、欧州の政治・社会問題と連鎖している。
コバルトと資源の呪い
コンゴ民主共和国(DRC)は世界のコバルト生産量の約70%を占める。コバルトはEV電池に不可欠であり、電動化を進める自動車産業の需要は急増している。中国企業はDRCの主要コバルト鉱山の多くを支配している。
アフリカは豊富な資源を持ちながら、その恩恵が住民に届きにくい「資源の呪い」に苦しむ国が多い。21世紀の地政学的競争が、アフリカの発展をもたらすのか、新たな搾取をもたらすのか——注視が必要だ。