台頭するインド
インドは2023年に人口でも中国を超え、世界最大の人口大国となった。GDPは現在世界第5位だが、2030年代には日本・ドイツを抜いて第3位になると予測されている。
地政学的に、インドはユニークな位置を占める。民主主義国でありながら「戦略的自律」を重視し、西側とも中国・ロシアとも一定の距離を置く。ロシアのウクライナ侵攻への制裁にも参加せず、ロシア産原油の輸入を続けた。
印パ核対立
インドとパキスタンはともに核保有国であり(インドは推定160発、パキスタンは170発以上)、カシミール問題をめぐって1947年の分離独立以来3度の戦争を経験している。
中国とパキスタンの「鉄の兄弟」関係(CPEC=中国パキスタン経済回廊)は、インドにとって両面から包囲される「二正面問題」を生む。
インド洋と「真珠の首飾り」
中国の一帯一路(海上シルクロード)はインド洋に多数の港湾施設を確保しようとしている——これを「真珠の首飾り」戦略という。スリランカのハンバントタ港、パキスタンのグワダル港など。
インドはこれを自国の「裏庭」への侵入と見て、強く警戒している。インドがQUADに参加し、インド洋における米国の海洋戦略と協調する動機の一つがここにある。